令和2年6月11日策定
令和2年9月18日改定
令和2年12月1日改定
クラシック音楽公演運営推進協議会

1 はじめに
新型コロナウイルスは、人類の生命、財産、そして社会経済に大打撃を与え、公衆衛生の危
機をもたらす等、未曽有の大被害を日本のみならず世界全体にもたらしています。クラシッ
ク音楽は世界共通の音楽芸術として、今まさに世界規模の危機に立たされています。
本ガイドラインは、国の方針を踏まえ、第一弾として策定された劇場・音楽堂等における新
型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン等を参考に、クラシック音楽公演の活動再開に
向けたガイドラインとして実施すべき基本的事項を整理したものです。
2 本ガイドラインの位置付け
本ガイドラインは、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2
年3月28 日(令和2年5月25日変更)新型コロナウイルス感染症対策本部決定。以下
「対処方針」という。)を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議「新型コロナ
ウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月4日。以下「提言」という。)にお
いて示されたガイドライン作成の求めに応じ、クラシック音楽公演運営推進協議会として、
主としてプロフェッショナルの演奏者が行うクラシック音楽公演の開催における新型コロナ
ウイルス感染症予防対策として実施すべき基本的事項を整理し、今後の取組の参考に供する
ために作成したものです。
策定にあたっては、公益社団法人全国公立文化施設協会が策定した「劇場、音楽堂等におけ
る新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の内容を踏まえた上で、公演主催者とし
て、クラシック音楽公演に特化した公演実施手順に則して実施すべき項目を検討するととも
に、舞台上におけるクラシック音楽公演の公演形態等も検討し、その特徴を反映したものを
本ガイドラインに項目として加えました。
公演主催者は対処方針の趣旨・内容を十分に理解した上で、以下の項目に示す「感染防止の
ための基本的な考え方」、「公演主催者が講じるべき具体的な対策」を踏まえ、新型コロナウイ
ルスの感染予防に取り組むとともに、文化芸術の社会的役割を継続的に果たすことが求めら
れています。
公演主催者は、会場の所在する都道府県の知事からの要請等を踏まえ、施設管理者と公演
主催者にて協議を行い、本ガイドラインが示す感染防止対策の対応がどの程度実施できるか
を踏まえた慎重な判断を行った上で、クラシック音楽公演において感染者の発生やクラスタ
ー等が生じないよう万全な取り組みを行っていくことを求めます。
又、実施にあたっては、公演主催者、施設管理者、出演者、楽団等については関わる出演者
とスタッフ、公演実施に関わる舞台スタッフ、運営に関わるすべてのスタッフ等との十分な
コミュニケーションを踏まえ、公演開催の意義や必要性等を理解し、お客様に対して適切な
2
環境の整備と上演内容の質が保たれるよう、知恵を出し合い、円滑に公演が遂行されるよう、
すべての関係者に対しての相互理解を強く望みます。
今般、政府では、催物の開催制限の緩和についての目安を提示し、感染防止策の徹底を前提
に、1)収容定員が設定されている場合は、収容定員までの参加人数とする、2)収容定員が
設定されていない場合は、密が発生しない程度の間隔(最低限人と人が接触しない程度の間
隔)を空けることとされました(「11月末までの催物の開催制限等について」(令和2年9月
11日付 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長事務連絡))。
公演等の開催に当たって、この緩和措置を適用するためには、本ガイドラインに基づく感
染防止策を徹底することが担保されるとともに、本ガイドラインに基づく取り組みを行う旨
ウェブサイト等で公表する必要があります。
なお、本ガイドラインの内容は、今後の対処方針の変更のほか、新型コロナウイルスの感染
の地域における動向や集団感染(クラスター)の発生状況、専門家の知見を踏まえ、必要に応
じて適宜改定を行うものといたします。
3 感染防止のための基本的な考え方
公演主催者は、地域の感染状況を踏まえ、各都道府県の対応に基づいて開催の可否を検討
する。その上で、会場の規模や特性、公演の形態、内容や演目等を十分に踏まえ、施設設置
者、施設管理者、公演出演者、スタッフ等と協力して新型コロナウイルスの感染拡大を防止
するため、必要な対策を講ずるものとする。
クラシック音楽公演の特徴として、歌唱や吹奏楽器の演奏といった、感染を拡散するリス
クを必ずしも排除しきれない行動が、演奏上又は表現上の理由により不可欠であることが挙
げられます。
また、公演自体はもとより、練習・稽古等の段階やリハーサル、公演前後の控室・楽屋等に
おいても、公演関係者間で感染を拡散するリスクがあることから、感染対策を徹底して行う
必要があることも十分に認識する必要があります。
一方で、会場となるコンサートホールは、各種法令等により高機能の空調設備の整備が義
務付けられており、強制的な機械換気が可能な事や、公演中は、お客様がステージの一方方向
を向いて、言葉を発する事なく、客席で静かに鑑賞するという、静謐なスタイルが特徴です。
これらの特徴等も踏まえて以下の具体的な対策を講じていただくよう提唱します。
4 公演主催者が講じるべき具体的な対策

第1章 ご来場いただくお客様の感染防止

  1. 施設管理者との調整
    公演主催者は施設管理者と国や各自治体の発している収容率等の方針のもと、感染防止対
    策について事前に調整する。下記のような感染対策が実施されるよう、施設管理者の協力を
    得て、努めるものとする。尚、感染が疑われる者が発生した場合には速やかに連携が図られる
    よう、所轄の保健所との連絡体制を整える。
    (1) 手洗い・手指の消毒を励行するとともに、入場口付近及び各所に手指消毒剤を設置し、使
    3
    用を促す。なお、消毒液は、当該場所に最適なものを用いるようにする必要がある。(以
    下、消毒に関する記載において同じ。)
    (2) 非接触型の体温計やサーモグラフィ等を配備し、利用を案内するスタッフを配置する。
    (3) マスクを忘れたお客様及び出演者等に対して配布や販売可能なマスクを準備する。
    (4) 接客や対面での案内を行うスタッフには、お客様と十分な間隔(概ね 1m 以上)を取ると
    ともに、マスクを着用させ、必要に応じてフェイスシールドや手袋も使用させる。
    (5) 対面販売を行うブース等には、透明ビニールカーテン又はアクリル板等を設置する。
    (6) お客様が並ぶ可能性がある場所に、十分な間隔(最低1m)を確保することを求める案内
    を掲示する。
    (7) トイレについては、不特定多数が触れる場所は清掃・消毒を行い、ハンドドライヤーは使
    用禁止とする。
    (8) 不特定多数の人が触れる箇所(扉、蛇口、手すり、エレベーターボタン、テーブル、椅子
    等)は、定期的に消毒する。
    (9) ホール内でお客様が入場するすべてのエリアで適切な換気を実施し、入場時や休憩時は扉
    等を解放し外気を取り入れる等、必要に応じて扇風機、サーキュレーターによる換気を行
    い換気量(20 ㎥/時以上)を保持できるように努める。
    (10) 体調を崩されたお客様を案内する為、換気の良い救護室を確保し、案内者を特定して
    おく。使用した際は適切な消毒手当を施す。平熱と比べて高い発熱、咳、味覚・嗅覚障害
    等の症状がある場合に、直ちに医療機関を受診できるよう、紹介する医療機関を特定して
    おく。
    (11) 接触感染アプリ(COCOA)(自治体独自の通知アプリ、QR コードを活用したシステ
    ムを含む)について公演チラシ、公演主催者及び施設管理者のウェブサイト、公演当日の
    会場等に掲載することにより利用を促す。
    (12) 高齢者や既往歴のある方など重症化リスクの高い入場者については、慎重な対応を行
    っていただくよう、公演主催者及び施設管理者のウェブサイト等により注意喚起を促す。
  2. 感染防止対策の周知
    お客様に以下を徹底いただくと共に、出演者と接する入り待ちや出待ち、プレゼントや花
    束等については控えていただくよう予め周知する。
    (1) 感染防止のための公演主催者からの要請事項を守る。
    (2) 会場における「3 密」を避ける。
    (3) 会場内ではマスクの常時着用を徹底しお客様同士の接触は控え、会話は必要最低限に留
    め、マスク着用下においても咳をする時には腕で口を覆うまたは下を向く等の咳エチケッ
    トも実践する。
    (4) こまめな手指消毒又は手洗いを行う。接触感染防止のため不用意に自分の目・鼻・口を触
    らない。
    (5) 来場前に検温し、次の条件に該当する方は入場できないことを周知する。その際に来場出
    来ない方が不利益を被らないよう、当面の間のチケット代金全額の払い戻し等の対応を検
    討する等、お客様に対し来場を控えていただくケースを事前に十分周知する。
    ① 検温の結果、平熱と比べて高い発熱がある。
    4
    ② 咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味覚・嗅覚障害、眼の

痛みや結膜の
充血、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐の症状がある。
③ 新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触がある。
④ 過去 2 週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域
への訪問歴、及び当該在住者との濃厚接触がある。
(6)新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) (自治体独自の通知アプリ、QR コードを
活用したシステムを含む)について公演チラシ、公演主催者及び施設管理者のウェブサイ
ト、公演当日の会場等に掲載し、来場者に利用を促す。
(7)交通機関や飲食店等の分散利用や、公演前後の交通機関利用時等における感染防止に努め
るよう注意喚起する。

  1. チケット販売と発券
    チケットの販売と発券は、接触を抑制する観点から、可能な限り以下のように行う。その際
    お客様から氏名及び緊急連絡先の情報を取得し必要に応じて保健所等の公的機関へ提供され
    得る事、又、前項2(5)に記載の入場制限とそれに伴うチケット代金の払い戻しについて周知
    する。
    (1) チケットは事前にご購入いただき、当日にご持参いただく。可能な範囲で、オンラインチ
    ケットやキャッシュレス決済をお奨めし、ご利用いただく。
    (2) チケット販売の窓口スタッフにマスク、必要に応じてフェイスシールドを着用させ、必要
    に応じて手袋も使用させる。
    (3) 対面でチケット販売を行う場合は、透明ビニールカーテンやフェイスシールド、又はアク
    リル板等を設置する。
    (4) 当日券を購入する際は、チケット売場で前の人と十分な間隔(最低1m)を空けて整列し
    ていただくよう、足元などにサイン等を示す。
    (5) 不特定多数の人が触れる箇所を頻繁に消毒するよう、チケット販売窓口スタッフに周知徹
    底する。
    (6) チケット販売窓口スタッフに、入退室の前後は手指の消毒、手洗いを丁寧に行うことを周
    知徹底する。
  2. 入場時の対応
    入場時における接触を抑制する観点から、時間差入場を導入する等の対策を講じた上で、
    以下のように行う。
    (1) 会場に入場するお客様が密集することを避けるため、段階的に入場を行う。
    (2) 入場するお客様に、十分な間隔(最低1m)を確保することを求める案内を掲示する。
    (3) 入場の際に、お客様に検温のご協力をお願いする。平熱と比べて高い熱が確認された際に
    は入場をお断りすること等を事前に周知する。
    (4) 入場時のチケット半券のもぎりはお客様で行っていただくよう周知する。可能であれば、
    主催者が目視で確認する方法も取り入れる。
    (5) 入場時マスクを着用していないお客様には、マスクの着用を求め、配布や販売できるマス
    クを準備する。
    5
    (6) 入場後は、手洗い又は手指の消毒を行うよう周知する。
    (7) 原則として、プログラムの手渡しは行わず所定の場所からお客様ご自身で取っていただく
    ようにする。可能な範囲で、オンラインによる配布をお奨めする。
    (8) オペラグラス等の貸し出しは十分な消毒を行う。消毒が行えない場合は貸し出しをしな
    い。
    (9) チケットもぎりのスタッフにマスク、必要に応じてフェイスシールド、手袋も使用させ
    る。
    (10) クロークスタッフにマスク、必要に応じてフェイスシールド、手袋を着用させる。可能
    であれば、利用者を最小限とすることを周知する。
    (11) お客様に出演者の入待ちを控えていただき、プレゼントや花束等は控えるよう周知する。
  3. 客席
    客席は、感染状況を踏まえながら、公演中の接触をできるだけ避ける観点から、当面は以下
    の対策を講じる。
    (1) 入場者と座席が確認できるよう原則として指定席とするなど、感染者が発生した場合に速
    やかに対応できるよう備える。
    (2) 座席の最前列付近は、公演形態や演目内容を踏まえ第 2 章 4.(3)を参照のうえ適切な
    対策を取る。
    (3) 来場者による大声での歓声や・声援等がないことを前提とした公演である場合、地域の感
    染の収束状況、公演の形態・内容、上演時間、観客層等を総合的に判断し、感染リスクが
    低いと判断される公演については、収容定員までの配席数(収容率 100%以内)とする
    ことができる。
    (4) ブラボー等の大声での声援は行わない事を徹底し、拍手のみとしていただくよう周知す
    る。大声を出すお客様がいた場合、個別に注意等を行う。
  4. 開場時、休憩時間における対応
    開場時や休憩時間は、接触を控える観点から、十分な休憩時間を設定し、時間差でトイレや
    ホワイエ、ロビーなどを利用するよう周知し、以下のように行う。また、適切な対応を行うた
    めの人員の配置など、体制を整備する。
    (1) 開場時及び休憩時間
    マスクの着用について注意喚起・徹底する。会話は必要最低限に留め、自席で静かに
    過ごすよう周知する。
    ロビーやホワイエでは十分な間隔(最低1m)を確保し、会話は必要最低限に留める
    ように周知する。
    不特定多数の人が触れる場所を触れた場合には手洗い又は手指の消毒を周知する。
    お客様ご自身の手で不用意に目・鼻・口等を触らないよう周知する。
    ホワイエやロビー等の飲食用に感染防止策を行ったエリア以外では飲食をしないよ
    う周知する。また、客席での食事は、長時間マスクを外すことが想定され、隣席への
    飛沫感染のリスクを高めるため、自粛いただくことを徹底する。
    (2) 飲食を提供する場
    6
    飲食を提供する場合は、アルコールの提供は避け、接触を控える観点から以下のように対
    策を徹底する。
    飲食を提供する場が混雑しないよう入場制限を行うことを周知する。
    飲食を提供する場合は、家族等の同一グループと他のグループとの距離が十分な間隔
    (概ね 1m 以上)となるよう座席を配置する。
    現金の取り扱いをできるだけ避けるため、キャッシュレス決済を推奨する。
    休憩時間にロビーやホワイエでは飲食を共有しないよう周知する。
    使い捨ての紙皿や紙コップを使用することを周知する。
    飲食後のごみはお持ち帰りいただくことを推奨する。
    お薬の服用や水分補給のための飲料水は持参いただくよう周知する。
    (3) トイレ
    トイレでは、十分な間隔(最低1m)を空けて整列するよう周知する。
    トイレのハンドドライヤーは使用禁止とし、ハンカチの持参使用を周知する。
    トイレの使用後は、蓋を閉じてから流すよう周知する。
  5. 公演終了後の対応
    全公演が終了した後の対応については、接触を抑制する観点から、時間差退場を導入する
    等、可能な限り以下のように行う。また、適切な対応を行うための人員の配置など、体制を整
    備する。
    (1) 退場時について
    公演終了後の退場に際して、会場の扉を全て解放する等、複数の退場路を設定し十分
    な間隔(最低1m)が確保出来るよう周知する。
    アンコール曲は会場内に掲示せずウェブサイトで周知する。
    お客様に楽屋訪問や出演者の出待ちを控えるよう周知する。
    (2) 物品販売
    物品販売を行う場合は、接触を控える観点から以下のように行う。また、適切な対応を行
    うための人員の配置など、体制を整備する。
    パンフレット、グッズ等の販売を行う場が混雑しないよう入場制限を行うことを周知
    する。
    パンフレット、グッズ等の販売を行う場合は、十分な間隔(最低1m)をあけて整列
    するよう周知する。
    現金の取り扱いをできるだけ減らすために、オンライン販売、キャッシュレス決済を
    推奨する。
    スタッフがマスク、必要に応じてフェイスシールド、手袋を着用することを周知する。
    対面販売の場合、透明ビニールカーテン又はアクリル板等を設置する。
    不特定多数の人が触れるサンプル品・見本は置かないようスタッフに周知する。
    ユニフォーム、衣服はこまめに洗濯することをスタッフに周知する。
    (3) サイン会等
    サイン会は実施しないことを周知する。
    楽屋口等での出待ちはお断りする。
    7
    出演者へのプレゼントや花束等は控えるよう周知する。
  6. 当日、感染が疑われる人が出たときの対応
    公演中に体調を崩されたお客様がいた場合は、以下のように行い、適切に対応できるよう
    に心掛ける。
    (1) 速やかに救護室へ案内し、隔離する。
    (2) 対応するスタッフは、マスクやフェイスシールド、手袋を着用のうえ発熱者との接触を避
    けて対応する。
    (3) 速やかに、あらかじめ特定しておいた医療機関及び保健所へ連絡し、指示を受ける。
    (4) 保健所等の公的機関による聞き取りに協力し、氏名及び緊急連絡先を把握し名簿を作成す
    る等、必要な情報提供を速やかに行えるよう体制を整えるとともに、こうした情報が必要
    に応じて保健所等の公的機関へ提供され得る事を事前に周知する。
    (5) スタッフによって取得した個人情報の名簿は、漏洩することがないよう1か月以上を目安
    に適切に管理・保存の上、適切に破棄する。

第2章 出演者・スタッフの感染防止

  1. 基本的な感染予防対策
    日常生活において出演者及びスタッフ等の感染予防対策として、以下のことを徹底する。
    また、これらの対策については、本人のみならず、その同居する家族等についても重要である
    ことを周知する。
    (1) マスク着用を徹底するとともに、マスク着用下においても咳をする時には腕で口を覆うま
    たは下を向く等の咳エチケットも実践する。
    (2) 小さな節目ごとに、手指消毒又は手洗いを丁寧に行う。
    (3) 日々、充分な睡眠を取り、水分を摂取することをはじめ、健康管理に努める。
    (4) 日常生活において、感染リスクの高い場所への出入りは控え自己隔離に努める。
    (5) ステージ衣装やスタッフ衣装等はこまめに洗濯する。
    (6) 楽器・楽譜を取り扱う者は手指消毒又は手洗い等日常的な感染防止対策に努める。
    (7) 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) (自治体独自の通知アプリ、QR コードを
    活用したシステムを含む)の利用を促す。
    (8) 自宅で定期的な検温を行い記録し、一週間毎に公演主催者又は所属事務所等に提出して確
    認を受ける。
    (9) 公演又はリハーサル開始までの2週間に、次のいずれかの症状又は事象がある出演者は自
    宅待機とし PCR 検査の受診を促し、医師又は関係機関に相談し、その判断に基づき、主
    催者は出演の可否を決定する。
    検温の結果、平熱と比べて高い発熱がある。
    咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味覚・嗅覚障害、下痢、嘔気・嘔
    吐の症状があった。
    新型コロナウイルス感染症陽性とされた者との濃厚接触者として通知された。
    過去 2 週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域
    8
    への訪問歴、及び当該在住者との濃厚接触があった。
    (10) 海外からの出演者の招聘は、当該国による日本への渡航制限および日本政府による当
    該国からの入国制限が解除されるまで行わない。ただし、日本入国後2週間を経過してい
    るものは、この限りではない。
  2. 練習・稽古における感染予防対策
    公演主催者は、練習・稽古の段階から感染対策を徹底して行う必要があることを周知し、以
    下のことを徹底する。
    (1) 同時に多くの人が同一の場所を利用することの無いように、使用人数全体を抑える。又は
    使用に際して時間差をとるなどの対応を行い、密になることを避ける。
    (2) 練習場・稽古場等は、原則として常時換気を行う。
    (3) 声楽・合唱の練習中は、公演での対応に準じて適切な対人距離を確保する。
    (4) こまめな手洗い、手指の消毒をする。
    (5) 機器や手すり・ドアノブ等の特定多数が触れやすい場所の消毒を定期的に行う。
  3. 関係者との連携体制の構築
    感染リスクをできるだけ避けるため、スタッフの人数は必要最小限に留め、関係者との連
    携体制を構築する。
    (1) 公演に関わる関係者を事前に把握し緊急連絡先を確認する。
    (2) 公演主催者は施設管理者と綿密に連携を図る。
    (3) 少なくとも次のような関係者とは、事前に感染予防について対策を確認・調整・共有をす
    る。
    施設管理者
    ① 接触感染・飛沫感染・施設としてのリスクの評価とそれに基づく開催の可否。特
    に、多数の来場者が見込まれる公演や来場者の範囲が全国に及ぶ公演については、
    リスクが異なる事に注意し各都道府県の対応に基づき開催の可否を概ね一ヶ月前
    までに検討。
    ② ホール内でお客様が通常入るすべてのエリアで常時換気の実施(トイレや控室・
    楽屋も含めて)
    ③ 当日体調を崩された出演者・スタッフを案内する別室の確保
    ④ 緊急時の対応 など
    会場内の飲食店
    ① 当日の出席人数
    ② 感染リスクを避けるための対策 など
    舞台、音響、照明等の機材や備品等の取扱者
    ① 取扱者の特定
    ② マイクロフォンなど複数名が使用する機材のこまめな消毒
    ③ ピアノ等会場備付の楽器のこまめな消毒
    ④ 感染リスクを避けるための対策 など
    会場内の清掃担当者
    9
    ① 公演日以外および公演当日の清掃・消毒内容
    ② 消毒液の設置場所 など
    保健所
    ① 公演会場のある地域における保健所の連絡先 など
  4. 当日の会場入りの際の対策
    公演当日及びリハーサル当日、会場入りする際は、出演者・スタッフは次のようなことを徹
    底する。
    (1) 公演当日及びリハーサル当日は会場入りする前に自宅等で検温し、平熱と比べて高い発熱
    がある場合、及び体調不良の症状(咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、味
    覚・嗅覚障害、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐等の症状がある場合)があった場合は自宅
    待機とし、PCR 検査の受診を促し公演主催者の指示を受ける。
    (2) マスク着用を徹底し、マスク着用下においても咳をする時には腕で口顔を覆うまたは下を
    向く等の咳エチケットも実践する。会場入りに際しマスクを着用していない出演者・スタ
    ッフには、マスクの着用を求め、配布や販売できるマスクを準備する。
    (3) 記録した検温結果を公演主催者に報告する。
    (4) 会場入りしたらまず手洗い、手指の消毒をする。
    (5) 控室、楽屋では、十分な間隔(最低 1m)を保つ。
  5. 演目・プログラムの対策
    演目・プログラムの選定は、公演内容での感染リスクを避ける観点から、次の点について配
    慮する。
    (1) 会場のある自治体の感染状況や各自治体の発している方針を踏まえながら、公演主催者は
    感染防止対策の対応がどの程度実施できるかを踏まえて演目・プログラムを検討するよう
    努める。
    (2) 舞台上のスペースに対して出演者間の十分な距離が取れる演目・プログラムを検討する。
    (3) 公演形態における感染予防対策は以下の項目を検討する。
    鍵盤楽器、管弦打楽器(ソロやデュオ〜室内楽、吹奏楽、オーケストラについても含
    む)
    ➀ソロやデュオ~室内楽では、すべての演奏者は十分な間隔(最低1m)を保持す
    る。
    ②舞台上の演奏者の位置から客席最前列までの距離について、舞台前方で管楽器の
    演奏を行う場合は最低でも舞台から水平距離で 2m 以上の距離を置くよう努め
    る。それが困難な場合は、アクリル遮蔽板の設置などの同等の効果を有する措置
    を実施する。
    ③舞台上に多くの演奏者が出演する吹奏楽、オーケストラ等の場合は以下の点に留
    意する。
    ・指揮者は演奏者との距離を 2m 以上確保する。
    ・トランペット・トロンボーンは前方の演奏者との距離を最低でも 1.5m(可能
    な限り 2m)を確保する。
    10
    ・演奏上または表現上の理由により演奏者間を従来の間隔で演奏する場合は、舞
    台上の換気の確保により一層留意する、練習時に楽器用マスクやアクリル遮蔽
    板を使用する、リードを単体で吹いたり水抜きの際は布などで飛沫飛散を防ぐ、
    など複数の手法を組み合わせて感染リスクを下げるよう努める。
    ④指揮者・演奏者は舞台上で会話をする際はマスクを着用する、もしくは、2m以
    上の距離を確保する。
    声楽
    ➀舞台から客席最前列までの距離について、最低でも水平距離で2m以上の距離を
    置くよう努める。また、歌唱位置から客席最前列までの距離について、水平距離
    で最低でも 3m 以上の距離を置く。これらが困難な場合には、アクリル遮蔽板の
    設置などの同等の効果を有する措置を講ずる。
    ②複数の歌手が出演する公演では、すべての歌手は最低でも1m以上の距離を保持
    し、近距離で向かい合うスタイルや、激しい体の動きを伴ったり移動しながら歌
    ったりする演出は避ける。
    ③合唱が出演する公演では、概ね 60 名以下の歌手が原則として同一方向を向き、
    演奏途中で移動しないことを前提に、列の間が最低でも 1mの市松模様状※1とな
    るよう編成する。これらが困難な場合には、マスクの着用等と、それらに応じた
    適切な対人距離※2を確保するなどの同等の効果を有する措置を講ずる。
    ※1 結果として、歌手間の距離は、概ね前後2m、左右1mとなる。
    ※2 歌手間の距離は、マスク着用の場合は概ね前後 1m、左右 50cm、フェイスシールド又はマウ
    スシールド着用の場合は概ね前後 1m、左右 1mとする必要がある。
    ④声楽に伴う飛沫の飛散は、舞台上の換気の状況や湿度・温度等によりリスクが高
    まる可能性があることを十分に認識し、適切な換気※3を行うとともに、医療の専
    門家の助言を受けて、総合的な対策を講ずるよう努める。
    ※3 二酸化炭素濃度 1,000ppm 以下を維持することが見込まれ、二酸化炭素濃度測定機器等で当
    該基準の維持が確認できること(機械換気設備による換気量が 30 ㎥/時以上に設定されており、
    当該換気量が実際に確保されている場合はこの限りではない。)。
    オペラ等の総合舞台芸術
    ➀オペラ等の大規模公演については、上記の器楽の対策及び声楽の対策を基本とし、
    演出上の工夫(歌手間の距離や歌唱方向、装置や衣装の工夫等)や舞台上の換気
    の確保に一層留意するなど、複数の手法を組み合わせて総合的な感染対策を講ず
    る。
  6. リハーサル、公演時の舞台上での対策
    舞台上では接触を抑制する観点から、次のような行動に努める。
    (1) リハーサル中は、演奏者・スタッフは会話をする場合にはマスクを着用する。マスク着用
    下においても咳をする時には腕で口を覆うまたは下を向く等の咳エチケットも実践する。
    会話する際はマスクを着用していなければ十分な距離を確保する。
    (2) 舞台上への楽器、椅子及び譜面台等備品の搬入、セッティング及び搬出時、又、譜面台へ
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    の楽譜のセッティング、回収の際は、特定の人が担当し手袋を着用する等不特定多数が触
    れないようにする。
    (3) 舞台上の椅子や譜面台はこまめに消毒する。
    (4) 搬入、セッティング、搬出に際して、十分な時間を設定するなどし、十分な感染対策を講
    じる。
    (5) 舞台上でのセッティングにあたっては、演者が発声する・激しい呼吸を伴う運動や管楽器
    の演奏を行う場合は舞台から観客との間隔を水平距離で 2m 以上とる。演奏形態によっ
    ては 2m 以上の距離を確保する等、芸術表現上又は演奏上難しい場合は使用する客席の
    位置を舞台から十分離す。
    (6) 管楽器の結露水は床に直接落とさず布、紙などに吸収させ演奏者自らが指定の場所に捨て
    る。
  7. 舞台裏、控室・楽屋等での対策
    舞台裏、控室・楽屋等の利用については不特定多数が触れやすい場所の消毒を定期的に行
    うと共に原則として換気を行い、必要に応じて扇風機、サーキュレーターによる換気を行う
    と共に、扉や窓等を解放し外気を取り入れる等、実効的な換気量(20 ㎥/時以上)を保持で
    きるように努める他、接触を抑制する観点から、次のような行動に努める。
    (1) 同時に多くの人が同一の場所を利用することの無いように、使用人数全体を抑える。又は
    使用に際して時間差をとるなどの対応を行い、密になることを避ける。
    (2) 消毒液などを設置する。
    (3) 舞台裏、控室・楽屋では、マスクの着用を徹底する。
    (4) 食事の前、トイレの後、結露水や唾液・飛沫が付着していると考えられる部位に触れた後、
    目・鼻・口に触れる前は、手洗い、手指の消毒をする。
    (5) 控室や楽屋で飲食をとる際は、十分な距離(最低 1m)を保ち必要に応じて透明ビニール
    カーテン等の設置対策を徹底する。
    (6) 飲料水は持参するよう周知する。
    (7) 使い捨ての紙皿や紙コップを使用する。
    (8) 飲食後のごみは持ち帰りとすることを推奨する。
    (9) トイレ
    トイレでは、十分な間隔(最低限1m)を空けて整列するよう周知する。
    トイレのハンドドライヤーは使用禁止とし、ハンカチの持参使用を周知する。
    トイレの使用後は、蓋を閉じてから流すようにする。
  8. 出演者やスタッフで感染が疑われる人が出たときの対応
    公演中又はリハーサル中に感染が疑われる人が出た場合、以下のように行い、適切に対応
    できるように心掛ける。
    (1) 体調不良者にマスクを着用させ、速やかに別室へ案内し、隔離する。
    (2) 対応するスタッフは、マスクや手袋を着用のうえ対応する。
    (3) 速やかに、あらかじめ特定しておいた医療機関及び保健所へ連絡し、指示を受ける。
    (4) 保健所等の公的機関による聞き取りに協力し、氏名及び緊急連絡先を把握し名簿を作成す
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    る等、必要な情報提供を速やかに行えるよう体制を整える。
    (5) スタッフによって取得した個人情報の名簿は、漏洩することがないよう1か月以上を目安
    に適切に管理・保存の上、適切に破棄する。
  9. 公演終了後の対応
    公演終了後は、次のように行う。
    (1) 来場者と接触するような行動は控える。
    (2) サイン会やお客様からのプレゼントや花束等の受理は控える。
    (3) 舞台裏、控室や楽屋には長居せず、速やかに着替え等を済ませて、換気のよい場所へ移動
    するよう心掛ける。
    (4) 公演後の関係者等による打ち上げやパーティは控える。
    本ガイドラインの策定にあたりましては、政府及び専門家の助言を経て策定したものです。
    以上
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